東の果ての公開日誌

ネットに不慣れな表現好きによる欲求放出の庭

夏に寄り添う夜

「春の匂い」の話は何度か書きましたが、仕事から帰ろうとすると、今年初めてふと夏の匂いを感じました。

昼間はほとんど感じないような微かなものですが、夜になって匂いが静かになると、ときどきはっと気づくことがあります。

草や木や土の匂いのような、オーガニックな匂いです。

なぜか春の匂いと違って、鮮烈な懐かしさを呼び起こします。

夏の田舎の家をイメージしてもらうと、その匂いを思い浮かべてもらえると思います。

僕が子供の頃は、毎年盆と正月はおふくろの実家に親戚中で集まって、何泊かしたものです。

そこで従兄弟たちと遊ぶのが楽しみで仕方なかったですが、その思い出とこの夏の匂いが結びついて、懐かしさを呼び起こしているのだと思います。

先日ちょうど従兄弟の結婚式があって、その後その従兄弟が住むおふくろの実家に行ってきました。

その家が建て替えられてしばらく経ちますが、実は建て替えられてから行くのは初めてでした。

昔の家の面影は全くと言っていいほどなくなっていましたが、みんなで集まった光景がはっきりと思い出されました。

庭も含めて昔はとても広いと思っていましたが、今回見てきたら思いのほか小さく感じて驚きました。

そんなことがあったばかりでもあったので、夏の匂いに包まれて、なんだかほっとするひとときを味わいました。