東の果ての公開日誌

ネットに不慣れな表現好きによる欲求放出の庭

もう1つの世界

今年初めての投稿からゲームの話ですが、ドラクエⅦをようやくクリアできました。

7月の終わりにスタートして、5ヶ月以上もかかったことになります。

いやぁ、長かった。

セーブ時に表示される総プレイ時間は、100時間を超えていました(ちょっと進め方が遅いです)。

長かっただけあって、終わったあとの喪失感のようなものがすごいです。

1つのゲームが終わっただけなのに、心にぽっかり穴が空いています。

それだけゲームの世界に浸っていたんですね。

それにしてもすばらしいゲームでした。

以前書いた音楽もよかったですが、ぼくはハイスペックなゲームをほとんどプレイしたことがないので、これだけの3Dでも十分すごくて美しいと感じますし、幾度となく本当にその世界に住んでいるような気分になりました。

鳥山明氏のデザインはこの上なく好きですし、やはり僕はドラクエの世界が性に合っているんだと感じました。

主人公がとても強そうだったり飛び抜けてカッコよかったりせず、その辺にいそうな普通の青年のデザインというところも、僕の好みに完全にマッチしています。

その方が返ってカッコよくて美しいと思ってしまいます。

それも鳥山明氏の力によるところが大きいのでしょうが...

ストーリーや演出も驚くところが多くて、「Ⅵ」までのドラクエとは一線を画しています。

お話としても主人公は普通の青年で、魔物も存在しない普通の世界からスタートするというのがⅥまでと全く異なります。

ある別れのストーリーも酷評されていることが多いようですが、僕はそのゲームとしては稀有な唐突な別れが返ってリアルに感じて、グッときてしまいました。

完全に「結論」を出さないストーリーもいくつもあり、余韻を残したりしています。

僕はⅧ以降はプレイしたことがありませんが、少なくとも演出としてはⅦは最高傑作なんじゃないかと思ってしまいます。

完全にオトナのゲームです。

気になるところも確かにあります。

まずⅥまでのドラクエと比べると、「こうすれば先に進める」というガイドやヒントが少なめで、ちょっと謎解き要素がキツいところです。

クリアするまでに何度か「このあとどうしよう」としばらく迷ってしまった場面がありました。

過去と現在を行き来するので、「ちょっと話が複雑になりすぎているかな」と思うものもあります。

時間がかかりすぎるので、以前に出会ったストーリーをヒントに進めていくところでも、その以前のストーリーをすでに忘れかけているということも何度かありました。

ストーリーが謎を含んだまま止まってしまい、長い間ゲームを進めてからそのストーリーが解決するというものも多く、解決するときにはそれがどんな話だったか分からなくなりそうなことも多々ありました。

しかもその謎がいくつも溜まっていくので、だんだん混乱してきます。

特に最後の方はその印象が強く、何をやっているのかちょっと飲み込みきれない感じでした。

そのためか、最後はとてもよいストーリーなのに、何かあっけない感じがしてしまいました。

最後はエンディング終了までずっとセーブできない状態が長く続くので、途中で止められなくて苦労しました。

でもそれらの不満は、今までにない試みをいろいろしたためにそう感じさせているところがあると思いますし、ゲームのハードウエアが進化してもなお「昔のドラクエのままが一番良い」と考えるのはよくないと思いますので、受け入れたいです。

それを差し引いてもあまりあるゲームの出来にも感動します。

画像

クリアした後も、「裏ダンジョン」というものが楽しめるようですが、ちょっと今すぐにはやってみようという気持ちになれません。

しばらくこの喪失感に打ちのめされて、もしそれでもまたやってみようと思ったら、懐かしい物語の世界に帰ってみようと思います。