最近「Chromebook」のテレビCMをよく見ませんか?
「もし○○にうんざりなら」というキャッチフレーズで、パソコンの遅さや不安定さから開放されようとうたうノートパソコンのあのCMです。
パソコンと言えば、せいぜいAppleのMacがiPhoneの影響で広がってきたくらいで、やはりWindowsが絶対的ですよね。
Chromebookは「Chrome OS」というGoogleのOSを使ったノートパソコンです。
僕も自分のものとしてはWindowsしか使ったことがないので、それ以外のOSはパソコンの世界を大きく変える存在です。
Chrome OSの存在は数年前にネットの記事で見て知っていましたが、完全に忘れていました。
ところがあんなCMを急に見るようになって、現実的なものとして非常に興味が湧いてきました。
ちょっと調べてみると、Windowsが入っているパソコンにも、無料でChrome OSをインストールできるようじゃないですか。
もともとChrome OSが入っていないパソコンにインストールするものは、正確には「Chromium OS」と言うそうです。
Chromium OSをインストールしやすくしたものとして、「CloudReady」が良さそうでした。
ちょうど義父から10年前にもらってずっと使っていないノートパソコンがあったので、これはインストールしてみるしかないと思いました。
いろいろ調べてインストールしましたが、ものすごく苦戦し、長い時間がかかりました。
インストールの仕方は多くのWEBに記されていますのでここでは割愛しますが、僕が特に苦戦した2点を挙げておきます。
・ノートパソコンのUSBメモリから起動の仕方が少し特殊
NECのノートパソコンは、USBメモリからOSを読み込んで起動する場合、BIOS(起動時の画面から呼び出す設定画面)の設定で「USBレガシー機能」をオンにしなければなりませんでした。僕がデスクトップのパソコンでやったことがあるのは、起動の優先順位を変えるということだけで、このUSBレガシー機能をいじるというのは知らなくて、気がつくのに少し時間がかかりました。
・インストールしようとしたパソコンでは何度やってもハードディスクへのインストールに失敗してしまう
インストールしようとしたパソコン「VersaPro VJ16M」(以降VersaProと書きます)では、USBメモリからCloudReadyを起動することはできますが、その後にハードディスクへのインストールをしようとすると、なぜか「失敗した」というメッセージが出てしまいます。何度やっても失敗し、ハードディスクを一度フォーマットしたり、外付けのハードディスクに一旦インストールしようとしたりしてもダメでした。これが一番苦労した部分で、何度も諦めそうになりました。最後にもう1台持っていた結婚式場からもらったノートパソコン「LaVie ll150」(以降LaVieと書きます)とVersaProのハードディスクを入れ替えて、LaVieでインストールしたところ、インストールに成功しました。そのハードディスクをまたVersaProに戻したら、なんとかCloudReadyの起動に成功することができました。
インストール成功後も、いくつか問題はありました。
Abema TV、Gyaoなどの動画サービスや、Googleドライブにアップした動画などを見ることができませんでした。
ネットで調べて、設定の「メディアプラグイン」でプラグインのインストールを行わなければ動画が見られないということが分かりました。
「大人の事情」で、プラグインを使うには同意が必要なんですね。
また、VersaProでは画面の表示がおかしくなってしまいます。
LaVieでは
のようになりますが、VersaProでは
という具合になり、Windowsで言うところのタスクトレイ(右下)をクリックしたときに出てくる領域の上部が正しく表示されません。
表示はされませんが、その部分をクリックすると、LaVieで表示されているような機能は実行されます。
タスクバーの部分も半透明になっていないですし、角の丸みもないですよね。
動画を再生するときも、読み込み待ちのクルクルが、黒い四角の回転になってしまいます。
実は初回起動時のアカウントの入力のときも、入力欄周辺が真っ黒になってしまうので、手探りでどこに何を入力するのか考えて操作しました。
このブログの書き込みも最初VersaProを使って書き込もうとしましたが、ブラウザ内の本文の枠が一杯になると枠内が真っ黒になってしまったので、Windows10のパソコンに交代して書き込んでいます。
ビデオメモリの性能か何かが関係しているのだと思います。
宣伝でもネットの書き込みでも、Chrome OSは「爆速」と表現されることが多いですが、僕の印象では爆速というほどではありません。
確かに起動は速いですが、起動してからの動きはまずまずという感じです。
Youtubeの再生などは、VersaProではカクカクと止まりながらの再生になります。
Windowsを入れていたときよりはだいぶ速いですが、ある程度の性能がないと、「普通に使える」という感じにはならないと思います。
VersaProは2007年発売Windows Vista搭載です。
2010年発売Windows7搭載のLaVieにCloudReadyのハードディスクを入れて起動すると、普通に使えるくらいの速さなので、そのあたりがChrome OSを使えるか使えないかの境目になってくるのではないでしょうか。
たった2台でしか試していないので、信頼性の低い情報ですけどね。
Windows7をWindows10に無料アップグレードできる期間にアップグレードしはぐってしまった、またはWindows10にしたが恐ろしく遅くなった、というパソコン向けといったところでしょうか。
今回はノートパソコンだけでやりましたが、デスクトップでもできますよ。
あまり実用的でないものができてしまいましたが、ガジェット好きな40代男向けの「おもちゃ」としては、素晴らしい一品だと思います。
ハードディスクの中身は全部消えてしまいますし、あくまで自己責任ですが、興味のある方はぜひ試してみてほしいです。
LaVieのWindows7もだいぶ重いですし、サポートも切れているので、いつかそちらもCloudReadyにしてしまおうと思います。
パソコンを使わない人も増えていますし、スマホがあればほとんどのことはできてしまいますが、パソコンのOSの世界は大きく変わっていくかもしれません。