東の果ての公開日誌

ネットに不慣れな表現好きによる欲求放出の庭

A pilgrimage to young days

個人としては10年ぶりに盛岡に行ってきました。

6年前には社員旅行でちょっとだけ寄ったことがありますが、じっくり街を見るということでは、本当に長い時間が空きました。

着いてすぐに大学時代からの友達(会ったのは8年前の僕の結婚式以来)と合流し、つい昨日までここで暮らしていたような感覚にとらわれました。

でも街の雰囲気がだいぶ変わっていて、かつての様子が思い出せない場所も多く出てきたので、やはり自分との距離ができていることを感じないわけにはいきませんでした。

「バスセンター」がなくなっていたことには驚きましたし、当時よく行っていた楽器屋などの店がなくなっていて、時代の流れを感じました。

今回はとにかくよく歩きました。

駅から名店「白龍」まで歩いてじゃじゃ麺を食べましたし、そのままバスセンターまで歩いてからバスで母校の岩手大学まで行きました。

また歩いて広いキャンパスを縦断し、かつて友達が住んでいた下宿のあった場所や僕が住んでいたアパートを見てから、「上田通り」を歩き、有名な「福田パン」の店にも行って、材木町の「よ市」も見て、駅前に戻って「盛楼閣」で冷麺を食べました。

こんなに歩いたのは何年ぶりか分かりません。

忘れてしまった場所も多いですが、ときどき「あ、この建物は見たことがある!」と、見た瞬間に魂が強い力でほんの一瞬タイムスリップをさせられる場面がいくつもありました。

友達と話すと確かに話が一致する建物もあったので、実際に記憶にあったものがほとんどだと思います。

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上田通りを歩いた時に、「けんちゃん」という居酒屋がまだ営業していることが分かりました。

学生のころ何度も通った馴染み深い店です。

上田通りはもともと学生をターゲットにした飲み屋街として栄えていた通りですが、今はその時の飲み屋はほどんどなくなっていて、灯も少なく寂しい姿になってしまっていました。

あまりにも懐かしかったので、冷麺を食べた後でタクシーに乗り、けんちゃんに向かいました。

この店で味を覚えた舞茸の天ぷらや、肉味噌が乗った「けんちゃん豆腐」は、今も変わらない味でした。

友達との昔話もはずみました。

会計の時に驚きましたが、恐ろしく安い料金でした。

学生の客が多かったので価格設定が安く、今もその値段を変えていないのだと思います。

当時は当たり前に感じていましたが、こんなに世話になっていたのだと、感謝の気持ちでいっぱいになりました。

1晩泊まって2日目は、当時一緒に歌を習っていた仲間たちと待ち合わせていました。

彼女たちと会うのは10年ぶりでした。

それだけ経っているのにみんなほとんど変わっていなくて、当時の気持ちが蘇ってきました。

あの時のアツい気持ちがあったから、いまだにつながっていられるんですね。

4時間くらい話し込んでしまいました。

当時レッスンをしてもらった建物(喫茶店に変わっていました)も見に行ったりして、いろんなエピソードを思い出しました。

それぞれ家族を持ったりして、住んでいるところが別々になってしまい、今回会えなかった仲間も多いですが、いつかまた必ず会いたいと思います。

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まるで巡礼のような旅でした。

東北はどこもそうでしたが、紅葉があざやかでした。

今回盛岡の街をたくさん歩いてみて、古い建物が多かったことに気づきました。

不思議なことにそれらはどれも、アンティークがそうであるように、みすぼらしさを感じさせません。

それらが街の独特な雰囲気を深めているのだと思います。

僕の勝手な見解では、それらの建物に深い「思い」が詰まっているからではないかと思います。

できればその雰囲気を、いつまでも保ち続けてほしいです。