東の果ての公開日誌

ネットに不慣れな表現好きによる欲求放出の庭

「心の友」の歌

Stingの10年ぶりのオリジナルアルバム、“The Last Ship”を聴きました。

この10年間、音楽ソムリエでも書きましたが、Stingはクラシックアルバムを3枚出したり、ベストアルバムを出したりしていました。

同名のミュージカルのために書き下ろした曲を集めたアルバムのようです。

発売されてだいぶ経ちましたが、いつものことで聴けるまでしばらくかかってしまいました。

というか、残念ながら発売されていたことにちょっと気づきませんでした。

内容については絶賛させていただきます。

僕にとって一番決定的にこのアルバムを好きだと思わせるのは、随所でためらうことなく使われているケルト音楽的なサウンドです。

何度かケルト音楽好きであることを書いてきましたが、あまり予想しなかったところでそれが聞こえてきた時に、一瞬で自分の中のテンションが高まるのを感じると、改めて耳がケルトよりになっていることを実感します。

7曲目の“The Night The Pugilist Learned How To Dance”はミュゼット風のワルツだったりして、フランスの街中の景色を連想させて、これも心地よい空気が流れています。

とにかくヨーロッパの匂いが強いサウンドです。

クラシックアルバムとして2枚目に出した“If On A Winter's Night...”の延長線上にあるような感じもしますが、それがかなり暗めのイメージだったのに比べると、今作はもう少し明るめです。

共通点としては音数が少ないところですが、僕としてはそれが返って魅力になったりします。

オリジナルラブのアルバムでやはり音数の少ない“ムーンストーン”も好きだったりしますからね。

Stingの曲はアレンジや歌詞にインテリジェンスも感じるので、それによって自分の自尊心的なところをくすぐられるような感触が、Stingを聴き続ける理由の一つです。

Sting自身もう62歳になるので、全体として渋みのある作品になっていく傾向があるのかもしれません。

久しぶりに「完璧」と思えるアルバムを手にした気がします。

「一番好きなアーティストは?」と問われたら、今までいろいろ迷うところはありましたが、僕はやはり「スティング」と答えるべきなんでしょうね。