東の果ての公開日誌

ネットに不慣れな表現好きによる欲求放出の庭

25回目の涼やかさ

音楽ソムリエの番外編のような形で、久びさにアルバムをおすすめします。

僕が20年以上曲を聴いている遊佐未森さんが、デビュー25周年を迎えました。

9月にはベストアルバムが発売されます。

それに先立って、東芝EMI時代に発表したちょっと古いアルバムが複数リイシューされました。

昨年夏の音楽ソムリエでも、その中のアルバムを紹介したかったのですが、なにしろ廃盤という状態だったので、ちょっと採り上げるわけにはいかなかったという次第です。

遊佐未森は春をイメージさせるアルバムが多い印象がありますが、夏のカラーを持ったアルバムもいくつかあって、どれも秀逸です。

今回再発になったアルバムの中では、「Bougainbillea」がその1つで、しかもiTunes Storeで試聴をすることもできます。

夏のカラーを持っていると言っても、最近の邦楽に多い「夏だ、盛り上がろうぜ」的なノリは一切なく、ゆったりと落ち着いて夏を味わう感じの空気が全般に漂っています。

ちょっとおしゃれだけどあまり気どらない、大人の夏の楽しみ方と言えばいいでしょうか。

5曲目の「blue heaven」などは僕も大好きな曲で、ボサノバ風の楽曲ですが、夏の空と海の美しさをひっそりと涼やかに感じられます。

気になったらぜひ試聴してみてください。

実は再発された中でもっとおすすめなのは、「檸檬」というアルバムです。

ただ残念なことに、このアルバムはiTunes Storeなどで扱っていないので試聴ができず、聴こうと思ったら意を決して物理的CDを買うしかありません。

大正〜昭和初期の日本歌謡をカバーしたアルバムですが、このブログで何度か書いたように、夏は日本の情緒がよく表れる季節だということを、実に感じさせます。

有名なところでは、「月がとっても青いから」なども収録されています。

最後の「森の小径」はアカペラで、青い空と白い雲のコントラストがくっきりと思い浮かび、でも切ない歌詞だったりするので、聴いていて泣きそうになることがあります。

マツダの話をする時のように、まわし者かと思われんばかりの絶賛ぶりかもしれませんが、僕の感性では素直にいいと感じるので、それを信じてもらえるなら聴いてほしいです。