東の果ての公開日誌

ネットに不慣れな表現好きによる欲求放出の庭

宴の夜

栃木県平野部では雨もちらほら降り出して、この時期としては暖かい夜となりました。 それがきっかけになって草木が目覚めだしたのでしょうか、2月になったばかりの夜に春を思わせる匂いが一気に辺りを包むようになりました。 冬の暖かくなった夜に、生活が作り出す匂いがなくなって静かになると、急に春の匂いを感じるようになることがあります。 一度その匂いがし始めるとそれは日に日に強くなっていって、はっきり分かるようになった頃には鼻が慣れてきて、いつの間にか分からなくなってしまうというのを、毎年のように繰り返しています。 「新しいことが始まる」と予感させるような匂いで、さわやかなようで、懐かしいようで、やさしいようで、せつないような、何とも言えない趣深い風情を持っています。 僕はその匂いが大好きで、冬の夜はそれが今か今かと、バカみたいにオモテの匂いをクンクン嗅ぎまくったりします。 いつもの年ならだいたい1月の中ごろにその匂いがし始めることが多い気がしますが、今年は寒いからか、自分の鼻が弱くなったからか、少し遅くなった印象です。 ちょうどこの時期になったために、仕事もいったん少し落ち着いて、首の痛みも弱まっていたので、ほっとすることができました。 寒かった冬も終わりが来て、もうあっという間に春なんでしょうね。